ガラス修理の基礎知識

ガラスの成り立ち

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ガラスの成り立ち

人類とガラスの出会いはおそらく石器時代ごろまで遡るのではないかと推測されています。
始まりは、黒曜石と呼ばれる溶岩が冷えて固まった天然石の一種を加工して石包丁や、矢じりといった様々な道具を作り出したことであるとされています。

そして、人間の手によってはじめてガラス製品が生み出されたのが紀元前5000年頃の古代四大文明のひとつであるメソポタミア文明の時代でした。出土されたガラス製品は青緑色で不透明なものが多かったことから、当時製造していた青銅器を加工した際に偶然にできた産物であったのだろうとされています。

また、古代四大文明の一つであるエジプト文明でもガラスの製造は盛んにおこなわれていたようです。ただし、ガラス製品を製造するには、薪などの多くの燃料を必要としたため権力のある王などのみが手にすることができた貴重な製品でした。そのため、古代エジプトではガラス製品は権力の象徴ともなっていたと言われています。

そして、紀元前1世紀ごろになると、地中海の貿易国家であるフェニキアで吹きガラスという新しいガラスの製法が発明されました。吹きガラス製法を用いることにより大量のガラスを生産することが可能になったため、ガラスはもはや権力者のみのものではなくなりました。この頃からガラスは民衆にとって近いものとなり、花瓶や壺などのガラス製品がたくさん製造されていくことになります。